流体現象のメカニズム解明に関わる長い歴史に代表されるように、非線形現象の解明は数理科学の主要な課題のひとつとなっています。最近は、自己組織化現象や複雑系などの新しいメカニズムの解明が問題となっていますが、これらも非線形現象のひとつであり数学的には非線形モデルとして記述されます。本研究室では、非線形モデルを解析するための新しい数理的方法を開発するとともに、それらを実世界に現れる現象の解明に向けて応用することを目的としています。一方で、諸科学との協働も重要と考えフィールド・ワークの研究者とも積極的に交流しつつ、数理モデルの構築、数理解析・シュミュレーションからの情報の現場へのフィード・バックにも力を注いでいます。
ゼミの様子
2011年修士論文発表会
研究室旅行
研究テーマ
自己組織化の数理
研究内容
シロアリ集団は、設計図も指揮系統もなしに巨大な塚を自律的に作りあげます。どうしてこの様なことが可能なのでしょうか?
この謎を解くカギのひとつとして創発性(エマージェンス)という新しいシステム形態が注目されています。これは、従来のトップ・ダウン型、ボトム・アップ型とは違う双方向性とポジティブ・フィードバックを含む新しいシステム型を表す概念です。実際、創発性原理により実世界で観察されるような組織形成が数理モデルにより再現できることが分かってきています。
下の図は、非線形拡散方程式モデルの数値計算によるバクテリアの集合体形成と腫瘍型血管新生を示しています。
(バクテリアの集合体形成)
(腫瘍型血管新生)
研究テーマ
輸送現象に現れる構造形成
研究内容
物質とエネルギーの流れには、さまざまな特徴をもつパターンが現れます。流れの構成要素間の相互作用を取り入れて流れを数理モデル化し、どのようなメカニズムでパターンが出現するか理解することが求められています。重力や渦の相互作用のもとでおこる流れに対してモデルによるパターンの再現を研究しています。
(角を曲る渦の運動のシミュレーション)
研究テーマ
生物に学ぶ学習・適応システム
研究内容
生物には、周期的な運動を生成する中枢パターン発生器(CPG)と呼ばれる神経ネットワークが存在することが知られています。その、CPGの数学モデルを用い、CPGのパラメータや、歩行軌道を進化的に学習することによって、ヒューマノイドの歩行動作を獲得していくことに、取り組んでいます。RoboCupサッカーシミュレーションリーグのサッカーエージェントへの適用を進めています。
また、Particle Swarm の動作モデルに関する検討や、多目的進化計算を用いた学習について研究を行っています。また、非線形システムの同定にも興味を持っています。
(RoboCup 3D Soccer Simulation におけるサッカーエージェントの歩行)